2025年12月16日―― KOJIMA PRODUCTIONSの象徴 「LUDENS(ルーデンス)」は、スタジオ10周年を記念し、新ビジュアルが公開された。
今回、アートディレクター新川洋司へのインタビューを通して、ルーデンスの新ビジュアル、そして10周年を迎えたスタジオについての想いを語ってもらった。また、ルーデンス誕生秘話については過去のインタビュー記事「“EXPLORING LUDENS”」にまとめられている。こちらも併せてご覧いただきたい。
10周年ルーデンス制作秘話と、ウマ
――10周年ルーデンス、無事に公開されましたね
監督からのオーダーでは、本当はもっとゴツいアップデートを考えていたんです。宇宙船規模の大きなパーツをつけるイメージですね。 ただ、やはり「10周年」という部分にこだわりたいと思ったので、代わりに正面から見るとX状に見えるアンテナを作ってみました。10周年ということで、ローマ数字の10でX。
――ファンの間では「頭にオドラデクが付いてる!」という反響も多かったですね
確かにオドラデクっぽくなりましたけど、それはそれでコジプロぽさが出て良い感じに落ち着いたなと思います。 実は何パターンか考えて、ヨーロッパの彫刻風デザイン案も候補に残っていたんですけど、監督とも相談して最終的に今のメカニカルなビジュアルになりました。
だけどあまりXには見えないので直接書いちゃいました。 アンテナをよくみると「10th anniversary」って書いてます。 マントは10周年の式典用をイメージですね。
――今回のマントやアンテナ、5周年の時は大きいブースターパーツもありましたね。そもそもルーデンスには、拡張性を持たせることが想定されていたんでしょうか
そんなつもりは無かったですね(笑)。 会社のシンボルキャラクターとしてデザインした時は、こんな先のことまで考えていませんでした。 色々アイデアが盛り込まれて成長する過程も含め、楽しんでもらえると嬉しいです。
――拡張といえば、今年の年賀状イラストに馬型のルーデンスのようなキャラクターが居ましたが、あれも拡張した1つのパーツでしょうか
2026年は午年だったので、せっかくだから馬モチーフを検討していました。 当初は合体して「ウマデンス」になる予定だったんです。
――「ウマデンス」!?
そう。 人馬一体のデザインを考えていたけど、そこまでいくと午年でしか使えないですし、せっかく10周年ルーデンスが居るんだからそっちにもフォーカスしようと考えて、馬とルーデンスは切り離しました。 実はエンテイさんが作ったテストモデルもあったんですよ。
――今後のルーデンスに施したいアップグレードは、もう検討していたりしますか?
どうでしょうね(笑)。 最初からカラバリ(カラーバリエーション)は用意してあったんですけど、通常のルーデンスは随分と手を加えてしまいましたし・・・何か要素を付け足すより、たくさん出るのも面白いかもしれないね。
――たくさんですか
今のルーデンスが標準型だとして、装備、装甲が違うタイプとかね。 軽量タイプやパワードスーツをつけたり、それこそでっかいパーツが付いていたり。 来年は未年だから、装甲がもこもこのファーになっているかもしれないですね(笑)
――5年前のインタビューで「ルーデンスグッズがもっと出てほしい」とありましたが、この5年間もたくさんのグッズが出ましたね
直近だとROGコラボのパソコンも出ましたね。 ただこれは、ルーデンスの世界観でデザインしたらどうなるのかというコンセプトで挑戦したものです。 腕時計も同様のコンセプトですが、「ルーデンスの世界観のグッズ」より、いつか「ルーデンスが身に着けているアイテム」が欲しいですね。 全身ルーデンスコーデでROGのパソコン持ったりして。
駆ける出会いと、10年への想い
――昨年は10周年のほかに、「DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH」発売記念のワールドツアーもありました。ファンとの交流はいかがでしたか?
かなり弾丸ツアーでしたので、実は記憶が曖昧なのですが・・・ところで僕は何都市巡ったんだろう。
――新川さんは12都市中、アジア地域を中心に合計7都市巡りましたね
そうか、主にアジアを訪れましたね。アジア地域のイベントはファンとの距離感がすごく近く感じて、ノリも良く楽しかったです。
――様々なファンと交流していくなかで、とくに印象に残った出来事はありましたか?
あー(笑)あります。 ツアー最終地、城塞都市ルッカのイベント(Lucca Comics & Games)を訪れた時ですが、とんでもない体力と速さの少年に会いました。
――なるほど?
レストランに移動するため黒塗りの大きなバン(車)に乗り込んだんです。 窓からも中を覗けない仕様で、乗り込むところも見られていないはずなんですけど、僕らの後ろを1人の男の子が走って着いてきてました。 途中、空いている道で車もそれなりにスピードを出して・・・曲がって・・・「さすがにもう今飛ばしたから来ないよね」と振り向いても、まだ着いてきてるんですよ(笑)体感でも10分以上は着いてきてましたね。
――確かにとんでもない体力ですね。それに違う人が乗っているかもしれない状況、一か八かでも賭けてみたんですかね
駐車し終えたらちょうどその子も居たので、手を振って「サインするよ」って声かけました。 とりあえず僕のファンだったようで良かったです(笑)。 ロレンツォくん、すごく印象に残ったよありがとう。 ただ、危ないからあまり無茶しないでね。
――最後に10周年を迎えた感想と、ファンへのメッセージをお願いします
この10年、不思議と不安は無かったですね。 10年前にスタジオを立ち上げてからずっと、世界中のたくさんのファンがメッセージをくれて、支えてくれたからだと思います。 ファンが居たからこその10年だと今さらながらに強く感じますね。 この先もファンが居続けてくれる限りはゲーム作りを続けていられると思っています。 いつもありがとうございます。
まぁ10周年と言いつつ…コロナ禍の数年間は印象にないので、実はまだ10年の感覚が無いんです(笑)。 10年続く、続けられたことはそれなりに難しいことだとは理解していますよ。 よくここまで歩けたなと。
――ここから先の5年10年も、それもまた何の不安もなくいけそうでしょうか
うーん、実はちょっと不安だね。 10年分の重みかな、最近腰と背中が痛くて…(笑)。
ルーデンスのスーツと強化フレームが必要かもしれませんね。
サピエンスからルーデンスへ
地上ではないどこか。人間の手がまだ触れていない場所。
そこに立ち、遥かを見わたす存在。
宇宙服でもあり、甲冑でもあるような外装が包んでいるのは、
地球に誕生したあらゆる生命の進化の結晶。
未知の時空を探索する無限の好奇心を推進力にして、
“それ”は立ち止まることなく歩み続けてきた。
手にしているのは、何かを制するための槍ではなく、
到着を刻み、次の誰かを導くための旗。
想像できないことを創造して、遊びで世界を広げていきたい。
“それ”は、そんな思いから誕生し、
今も進化の途中にある。
私たちは、遊ぶ人、ホモ・ルーデンス。